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執筆者の写真Gaku Sakura

テーマ。そこに潜む建築。現代建築作家


テーマについて。

歌って基本的には同じテーマを扱います。恋とか愛とか友情とか青春とか。それがもちろん全てではないですが、だいたいここら辺のテーマに落ち着きます。

芸術も基本的には同じ構造です。愛とか性とか死とか記憶とか記録とか。もっと複雑になってきたりもすると思いますが……いろんな情報削ぎ落としていくとだいたいこういった内容のものになってたりします。

で、忘れてほしくないのがそこには必ず建築っていう背景がありますよってことです。

例えば、恋や友情と言えば学校という建築が見えたり、

愛と言えばベッドルームが見えたり、

青春っていうとコンビニの前で座って話したりって風景が見えたりします。

そんな情景を形成しているのが私の言う建築です。建物とはちょっと違います。この場合だと、記憶の中にある建物→建築。っていうような図式です。手で触れることのできない建物→建築とも言えるかもしれません。

建築と建物って≒だと思ってます。似てるけど違うと思います。

ちなみに≈もニアリーイコールですが、日本建築としてってことで今回は≒を使うべきかなと思いました。

で、この歌から見える情景に再度、画を与えるのがMVです。つまりそれはリアルなものではなく、アンリアルなものです。こんな事、実際ありそうだけど経験したことないよっていうような画です。

そんなアンリアルなものにも変なリアリティを与えられる土台になっているのが建築。そんなイメージで私は建築を捉えています。

学園もののドラマとかもそうですよね。こんな学校ねーよっていう。でもそんな学校がありそうな気もする。これをシミュラークルと言ったりします。

芸術もそうです。美術館やギャラリーという場所に展示されればなんでも芸術作品だと錯覚します。その錯覚させるための道具が建築です。これも建物≒建築です。


バンクシーの作品です。この作品、大英博物館にバンクシーが勝手に展示しました。3日間だれにも気づかれずに展示されました。

そこにあるべきモノとそうじゃないモノ。街の中に転がってたらこれバンクシーの作品だ!って皆さん分かりますか?でも美術館に展示したら……あら不思議、注目されはじめて調べていくとバンクシーで、そしたらこれ重要な作品だ!ってなります。これを可能にしているのが建築です。

そしたら建築ってすごい面白い学問だと思いませんか。建物はリアルなものです。でも建築というのはそうではありません。リアルであったりアンリアルだったりします。リアルに見えるけど実はアンリアルってこともあります。そうやってその場を知ろうとすればするほど建築を知りたくなります。

建築って一体なんなんでしょうか。掴みきれません。


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