
実体のない建築とは。
仮想通貨バブルと言われるほど仮想通貨の価値が上がっている。
この状況は芸術だ。そして最新の建築だ。
お金と芸術、建築の関係は深い。
貨幣に絵が使われる理由も貨幣価値の決定に大きく寄与している。貨幣はその国の歴史や文化、そして技術や信用を固持していくための表現方法だ。だから多くの場合そこに描かれるのはその国の人か建物である。
しかしそんな絵も必要なくなってしまう仮想通貨。
自分たちの未来は一体どうなってしまうのだろうか。
私達は今、大きな分岐点にいるのかもしれない。
価値の決定に絵画を使うというイリュージョンが崩壊しつつある。
イリュージョン、仕掛けが分かれば急激に冷めてしまう。
新たなイリュージョンが必要な時代。
少なからず今、仮想通貨のイリュージョンは波の高いチャートという絵画。それはギャンブルのように興奮する。
そんなイリュージョンにもう一つのイリュージョンを仕込むサトシ・ナカモトという謎の人物。架空の人物を演じる。それでも彼は彼自身を演じていて。なるほどね……うまくできてんじゃん、というような……不透明な透明性がここでのイリュージョン。
今の仮想通貨は株とFXの混合のようなものに見える。
価値の大きな変動はその信用、信頼の不透明性が故に起こるものだ。
インターネット・バブルの時のように得体のしれないものが社会を大きく変えようとしていることに対する期待感。
もしくは仮想通貨に起こった急激な値上がりは仮想通貨の価値と貨幣が持つ価値がフラット化する(もしくはすり替える)ための予備動作と捉えられるのかもしれない。今まで貨幣が持っていた価値が仮想通貨の価値へと移行しようとしているようにも見えなくはない。
そうなってしまうと、国という縛りも法律という縛りも全体のバランス、自分たちを規定していたもののルールが大きく変わっていくことになる。ものすごい時間を要する大変な作業になるだろうと予測しそうだが、そんなに時間は必要ないだろう。バランスを保つため、という建前の建築ができるかどうか。それさえ行なえればきっとインターネットの普及のように、あっという間だろう。
優秀な企業には世界から信用が集まる、すると価値が高まる。お金も同じような関係性を建築しつつあるのかもしれない。仮想通貨を扱える場所が増えていけば世界からの信用が集まる、価値が高まる。
仮想通貨は企業なのだ。
お金の郵政民営化。
なにが起こるかわからない世の中。だから紙という破れやすく、燃えやすいものに私達の歴史の価値を預けることについて問い直す。紙幣は邪魔なだけではないのか。
国のボーダーがなくなり始める。世界共通のお金となる可能性のある仮想通貨。
貨幣のモダニズム。
グーグルがアップルがアマゾンがマイクロソフトが、となれば瞬殺される紙幣。社会の構図。これは平等なものではない。
こうなると仮想通貨ではないと買うことのできない建築、アート作品もでてくるだろう。もしかしたら、食品だってファッションだって仮想通貨でないと買えなくなるものがでてくるかもしれない。破れやすく、燃えやすいものに価値(保存)はなくなる。これからはブロックチェーンだと言わんばかりに。
すると当然仮想通貨の価値が上がり、今までの貨幣の価値は下がる。これは避けられない。
すると仮想通貨でしか生活できない、小さな村が世界中のあちこちにできるかもしれない。仮想通貨の村から今までの貨幣の村に行くのは簡単だが、その逆は困難という複雑にイリュージョンされる建築(場)。
ただ現状の仮想通貨は一度清算されなくてはならない。
数多くある企業、仮想通貨を篩に掛ける。
ただこの仮想通貨が安定し始めたら世界は大きく変わる。
芸術に絵画や彫刻は必要なくなる。
その国の文化に建物は必要なくなってしまう。
後は、サトシ・ナカモトのように自分を演じてコスプレ(歴史)を楽しむだけである。
利便性を武器にしながら。
上書きされ始める私達の生活。
上書きするかされるかの人生。

と何気なく書いた半分妄想のような内容。そして自分の作家としての立ち位置。
これからどうなるか、しっかり見極めていかなければなりません。
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