建築する敷地から建築することが今回の個展でまずやりたいことだと前回書きました。ヒントをくれたのがロザリンドクラウスの展開された場における彫刻という論文です。
ここから私は展開された場における建築を考えてみようと思ったわけです。風景と建築から彫刻という拡張された場を見ることができたわけだから、似たようなことが建築にも可能だろうということです。
展開された場における建築をイラストにしました。
風景と建築から彫刻を見るというロザリンドクラウスの内容とは随分違うものになっています。ここでは芸術、建築、デザインから見る拡張された場における建築を見ようと思っています。リキッドモダニティとはジグムントバウマンのいう液状化された社会ということです。ハードウェアよりソフトウェアをキワードとした社会になりますよ、というような内容です。そこでみる建築というのは拡張されていてArchitectureと文字を起こす際の綴りのAはArtのAかもしれません、eはDesignのeでArchitectureは成り立っているのかもしれませんということです。Architectureとは純粋にArchitectureと綴ることもできますが、ArtやDesignの綴りを拝借してくることでも形成可能だということを表しています。ただここで明らかになるのは芸術とデザインは本来リキッドモダニティな社会の中では交わることがないということです。Art、Design綴りが重なることはありません。相容れない立場だということです。がArtの世界にもDesignは存在しているように思います。なぜか、それは建築が存在しているからです。建築がArtとDesignを繋ぐ役割を担います。そしてArtは完全に建築から立ち上げることが可能だということを同時に表しています。
今回の個展ではここから敷地を建築しようと考えました。どんな敷地になっているでしょうか。お楽しみに。
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