先日の続きでストリートダンス、ファッションと建築について。
なぜ自分がダンスにこれほど注目しているのか?
理由は色々あるのだが、ここに建築を見てしまったというのが一番の理由だ。
今までダンス、ファッション、建築の関係は深いと思われてきた。実際そうなのだがその土台を少し変更させてみたいと今考えている。
というのはこの場におけるコンテクストが一つのカルチャーからでは到底読み取ることことができるものではないからだ。
ここに建築家は足を踏み込まなければならないし、どのようにしても関係を築いていかなければならない。
また建築の中で建築だけを語り読み解くコンテクストにも裏切り(革新的)のようなものがなければ建築は止まったままだ。
建築の足下をもう一度見つめ直すことでこれからの建築の可能性を探ってみたいと思う。
以前も紹介したと思うがHIPHOPダンサーKYOKAさん。世界大会の覇者。今後日本の、いや世界のダンスシーンを担う存在である。
そしてこれもKYOKAさん。
まずファッションとダンスについてだが、やはりダンスが生まれてきた背景とファッションの背景は繋がっていることがよくわかると思う。そしてそこにはダンスの技術的問題も同時に含まれることになる。というのはダンスのジャンル(生まれてきた背景)によって求める動きの質が変わる。それを補うためには身体的な動きの質の変更だけでは不十分で、ファッションを身体の一部に動きの調整を行なう必要があるのである。
一人のダンサーが異なるジャンルを踊るためには異なるファッションを纏う必要がある。それは自身が纏っていたコンテクストを変更するための最初の手続きのようなものだ。
そんな異なるジャンルが交わる場所としての建築が求められる場合どうしても建築は無味無臭な場になってしまう。それは芸術を展示するホワイトキューブの空間と同じで、その場のコンテクストを真っ白く塗りつぶす必要がある。そうでなければ彼女はその場で踊る事の意味を失うし、そのファッションを纏う選択肢も失ってしまう。それがグローバルに様々なものが流動的に入り乱れる環境の中での建築の役割なのであろう。
建築の外、ストリートに出ればこのような物語になる。建築にはこの流動的な質の変化に答える術は今のところホワイトキューブだけだと言えるだろう。
先日紹介したAko Swagさん。
そして彼女が踊るジャンルと同じもの。場はやはりストリート。建築の中ではない。
ここから建築の可能性がいくつか浮上してくる。それが未来の建築家の仕事なのだと思う。
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